「また運動会したい!」不登校の子どもが見せた変化
- 友紀 山口
- 2025年12月2日
- 読了時間: 4分
にじの木運動会 子どもたちのやってみたいが花ひらく日
大村市で活動するフリースクール「にじの木」。ここには、学校に行けないことに悩む子、不登校で家から出られなかった子、人が多い場所が苦手な子など、さまざまな背景をもつ子どもたちが通っています。そんな子どもたちが主役になれる特別な1日が、にじの木運動会です。
にじの木の運動会は、一般的な学校行事とはまったく違います。決まっているのは
「みんなが楽しく参加できること」ただそれだけ。
競技は子どもたちが考える。出たいときに出る。迷ったら迷っていい。ギリギリで参加してもいい。
“これが正しい”という形が何ひとつない。だからこそ、子どもたちの“やってみたい”が
自然と生まれてくる特別な空間になります。
■ 子どもたちが自分で決める運動会
今回のにじの木運動会のテーマは、「自分で選ぶ・自分で決める」 こと。競技はすべて、子どもたちが話し合いながら決めました。
「玉入れがしたい!」「綱引きってみんなでできて楽しそう」「竹馬は毎日練習してるから本番でもやりたい」
そんな声を大人が否定しません。むしろ「いいじゃん!やってみよう!」と大歓迎。
これはただの運動会ではなく、子どもたちが主体的に関われる体験そのものなんです。
■ ギリギリまで参加しなくていい。ギリギリで参加してもいい
にじの木の運動会でよく見られる光景があります。
最初は遠くから見ている子。輪の外に座っている子。緊張で固まってしまう子。
それでも大丈夫。
にじの木では、「見てるだけでもいいよ」「やりたくなったらおいでね」というスタンスを徹底しています。
そして本当に、ギリギリで走り出す子がいます。
その瞬間、大人も子どもも全力で迎えます。「おいで!」「大丈夫!いっしょにやろう!」
強制されない安心感があるからこそ、子どもが自分の気持ちで一歩を踏み出せる。
これは、不登校の子どもにとってとても大きな“成功体験”です。
■ 大人も本気で楽しむ 7歳から70代までが笑った日
にじの木運動会には、年齢の境界がありません。
7歳の子も、10代の子も、お父さん・お母さんも、スタッフも、70代のおじいちゃんも。
みんなが本気で走り、本気で笑い、本気で応援します。
勝っても負けても大笑い!!誰かの「すごい」を見つけて褒める。
「がんばったね!」という喜びのやりとりがあちこちで生まれる。
その空気は、普段人の中が苦手な子にも安心を届けます。
■ 子どもたちの変化——「また運動会したい!」
運動会が終わるころ、子どもたちはこう言っていました。
「また運動会したい!」
たくさんの人の中にいても大丈夫だと気づけたこと。みんなと一緒に何かをするのが
楽しいとわかったこと。人が多いほど笑顔が増えると実感できたこと。
にじの木に来る子たちは、不登校を経験し、「僕は人が苦手」「私はみんなといるのが怖い」そんな気持ちを抱えていることが多いです。
だからこそ、この楽しかったという感情そのものが、とても大きな成長なんです。
■ 不登校は「怠け」じゃない。
安心できる居場所が必要なんだ
大村市にも、不登校や学校に行けないことで悩む親子はたくさんいます。
でも、不登校は怠けではありません。
子どもの心が疲れたとき、少し離れて“安心できる場所”で過ごすことはとても大切です。
にじの木は、まさにその「安心して呼吸できる居場所」のひとつ。
運動会のような行事は、遊びながら、笑いながら、自然と人とのつながりを取り戻していくための機会になります。
・見るだけでいい・途中から入ってもいい・失敗しても笑っていられる・褒められる経験がある・誰かの応援がうれしい
こうした小さな積み重ねが、子どもを前に進ませます。
■ にじの木の運動会が、子どもたちにもたらす3つの力
不登校支援としても、運動会はとても意味のある活動です。
にじの木では、次の3つの力が育ちます。
① 自分で決める力
「やる・やらない」を自分で選ぶ経験はとても大切。
強制では生まれない、自主性が育ちます。
② 人とつながる力
一緒に笑うだけで“つながり”の感覚が戻ってくる。孤立から回復する第一歩になります。
③ 自信を取り戻す力
「できた」「やれた」「みんなと楽しめた」この体験は、不登校の子どもにとって
大きな支えになります。
■ にじの木は、子どもたちが“自分を取り戻す場所”
にじの木は、不登校や学校に行けない子どもたちが安心して過ごせる大村市の
フリースクールです。勉強だけでなく、遊び・体験・つながりを通して、
心がゆっくり回復していきます。
今回の運動会は、その象徴の1日でした。
参加してもしなくてもいい。誰かを応援してもいい。見ているだけの時間があってもいい。
でも、子どもたちはその中で確実に成長しています。
「人と関わるのって、案外楽しい」「またやってみたい」「自分でもできるんだ」
そんな前向きな気持ちを、子どもたち自身が見つけていました。
にじの木はこれからも、子どもたちが自分のペースで安心して過ごせる“居場所”であり続けます。


